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夏バテの原因も低栄養かもしれない

夏バテは脚気の前段階でしょうか

夏バテを防止するには、ビタミンB₁を摂ることがよく推奨されています。
ビタミンB₁は豚肉に多く、豚肉を摂ることは夏バテ防止に効くと良く言われています。本当にそうでしょうか?

ビタミンB₁は、炭水化物が速やかにエネルギーに変わるために必要なビタミンです。
炭水化物が多い食品は、穀物でごはん、パン、麺類になります。
お菓子も炭水化物が多いです。

江戸時代に江戸患いと言って、玄米ではなく、白米ばかり食べている人にビタミンB₁不足が起こり、脚気になることを指します。
日露戦争の時は、ビタミンB₁不足による脚気により命を落とした兵士が、多かったとのことで、全戦病死者の内約75%に上ったそうです。

[1] 内田.研究プロジェクト:近代日本の戦争と軍隊-日清・日露戦争と脚気
https://www.wako.ac.jp/_static/page/university/images/_tz0716.b5706d4ad276df8bb8ffc5ce8c311f69.pdf#search=%27%E6%97%A5%E9%9C%B2%E6%88%A6%E4%BA%89+%E8%84%9A%E6%B0%97%27

夏バテは、暑いためにさっぱりしたものが食べたくなり、麺類ばかり食べているという
場合に起こりやすいです。
ではこれはビタミンB₁不足からなるのでしょうか?脚気の前段階なのでしょうか?
脚気の症状としましては、全身の倦怠感、食欲不振、手足のしびれ・むくみなどの症状
が出るとのことです。その前段階と考えると、ビタミンB₁不足を疑いたくなります。

現代人はビタミンB₁不足は心配ない

日本人の食事摂取基準2020年度版によりますと、現代の日本人において、脚気になるほどビタミンB₁が不足している人は大変少ないと予想されるとのことです。
とすると脚気の前段階ではない可能性が高いです。

ビタミンB1を全く摂らない食事を2週間続けると、脚気の典型的な初期症状である全身倦怠感が出るそうです。
災害時等で、毎日おにぎりしか食べられないという場合は、ビタミンB₁不足が心配されます。

脚気より低栄養の入口になってないか

高齢者において、低栄養が心配される人口はおおよそ2~3割もいるとのことです。
https://www.tyojyu.or.jp/kankoubutsu/gyoseki/shokuji-eiyo-kokucare/h31-2-2.html
東京都健康長寿医療センター研究所 社会科学系副所長新開 省二:高齢者の栄養問題-健康21(第二次)の視点から
高齢者においては、脚気よりも低栄養のほうが、出現頻度はずっと高いことになります。
低栄養症状も、元気が出ない、だるい、などの症状が出ます。

低栄養を予防するには、色んな種類の食材を意識して摂ることや、主食・主菜・副菜を揃えて摂ることを意識することです。

次の食品群から1日7品目以上をとるようにしましょう

さっぱりした麺類ばかり食べていて、まず心配されるのは低栄養です。
食事が面倒になり、カップ麺や菓子パンが多くなるのも、低栄養の原因になります。
豚肉だけでなく、色々な種類の食材を摂るよう、心がけましょう。
例え脚気の前段階であったとしても、そちらも予防することができます。

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低栄養の予防には「主食・主菜・副菜」が揃った食事を

低栄養予防が感染予防・重症化予防に

日本臨床栄養代謝学会が出した、新型コロナウイルス感染症の治療と予防に関する栄養学的提言で、重症化症例の多くは、背景として低栄養があることを指摘しています。多くは高齢者が重症化しやすい訳ですが、治療法や予防法が確定しない伝染性の疾患では、若年層も含め、個々の免疫力を高めることが肝要です。
低栄養になりやすい食事とは、主食・主菜・副菜の内、主食に偏る食事で、主菜・副菜といったおかずの少ない食事が特徴です。

主食・主菜・副菜の揃った食事とは

増やしたい主食・主菜・副菜が揃う食事

平成30年度の国民栄養調査によると、栄養のバランスが整いやすい主食・主菜・副菜が1日2食以上、ほぼ毎日揃っていると回答した者の割合は 男性45.5%、女性49%に留まっています。
低栄養を予防する必要のある方は、国民の約半数いる可能性があります。
認定栄養ケア・ステーションでは、皆さんで協力しながら、栄養状態を良くして行く活動をして行きたいと思っています。

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買い物が不自由になったら低栄養の危険

歩行が不自由になる前に対策を

低栄養を予防するポイントとして重要なのは、買い物が不自由になった場合の対策です。歩行が不自由になってきて、杖をついたり、カートに捕まって歩く状態になると、充分な食材を手に入れることが困難になります。
ご家族やご近所の方に助けていただくにしても、なかなか充分な食材を揃えるのが難しくなります。

お元気な内から生協を利用して、買い物の負担を下げている方は、買い物に行かなくても食材を届けてもらえるために、栄養のバランスを整えることが容易です。
歩行に不自由になった時点で、「生協を利用しませんか」とお願いしても、ほとんど断られます。ご高齢の方にとって、それまでやったことがないことを始めることは、難しいと思います。
ですのでお元気な内に、生協を利用を始めてもらいたいと思っています。

思い切って誰かに相談しましょう

生協を利用していたとしても、だんだん台所に立っていることが辛いという状況になるとなかなか充分な栄養を摂れなくなります。
そうすると、主食となるごはんやパンや麺は摂れますが、なかなかおかずを充分に用意できなくなります。
低栄養の予防は、エネルギー量を満たすなででなく、色々な食材を多種類摂ることが必要です。
しかしそれができなくなる訳です。
食事の内容が悪くなっても、日々はそのための不調を感じにくいです。人に頼ったり、迷惑をかけたりするのは嫌だとお考えになり、「おかずのない食事でも食べているのだからそれで良い」と思いがちです。お菓子とか好きなものを食べられていれば、まあいいのではないかとお考えになる方も多いです。

そんな時は思い切って相談することが大切ですね。
ご近所の方や、地域の相談窓口に連絡してみましょう。

濃厚流動食の利用

新型コロナウイルスの感染で重症化するのは、低栄養状態の方です。買い物や調理が不自由になったら対策が必要です。
そうした時におすすめなのは、濃厚流動食です。


125mlで200kcal摂れて、たんぱく質、脂肪、微量栄養素もバランスよく入っています。食事がいよいよ食べられなくなって、弱ってきてから摂るのでは遅いです。
なぜなら食事療法は速効性で効き目がある薬とは違います。予防的に早めに摂取しなければ、効き目がありません。
薬局や通信販売で、色々なメーカーから色んな商品が出ています。
薬局で「濃厚流動食ありますか?」と聞いてください。
ネットで「濃厚流動食」を検索して、通信販売で購入してください。
多くは冷やして、1日かけて少しずつでも摂ることをお勧めします。

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炎症を抑えるビタミンC

ビタミンCの抗酸化作用

新型コロナウイルスの重症化予防のためには、炎症を抑える体の働きをアップさせることが重要です。
ウイルスは肺胞に入って炎症を起こします。肺胞に入ったウイルスは、炎症によって血管を損傷させ全身に巡り、全身のあらゆる組織で炎症を広げていきます。

炎症を防ぐには、低栄養にならないように、栄養のバランスを摂ることが重要ですが、この前のブログで紹介したビタミンEと共に、ビタミンCは抗酸化作用によって、炎症を防ぐ働きを持っています。

体調管理にビタミンC

ビタミンCの欠乏症として有名なのが壊血病で、大航海時代に船員の多くが壊血病で亡くなっています。壊血病の症状は、疲労倦怠、いらいらする、顔色が悪い、皮下や歯茎からの出血、貧血、体重減少、心筋障害、呼吸困難などがあります。
成人のビタミンCの推奨量は100mgです。壊血病はビタミンCの食事摂取基準の1割以下10㎎程度摂っていれば起きません。普通の食生活では、ほとんど壊血病になる心配ありません。
しかし、壊血病的な症状、疲労倦怠、いらいらするなどがある方は、体調管理やストレス耐性を高めるために、充分ビタミンCを多めに摂るように意識するとよいと思います。

一方心臓血管系の疾病予防効果には、50mg程度摂っていれば期待できるとのことです。

ビタミンCを多く含む食品

ビタミンCは、熱に弱く、生の果物や、赤ピーマン、茹でても残る量が多めの小松菜・ほうれんそうといった緑の葉物やブロッコリー、熱に強いでんぷんに守られたビタミンCを含む芋類から摂れます。

サプリメントの利用もおすすめ

生の果物や野菜が少ない、外食やお弁当を召し上がっている方は、サプリメントで補うのも良いと思います。
特にお弁当には、食中毒を予防するために、加熱した料理が多いので、生の食品が充分に入りにくかったりすると思います。ビタミンCの多い食品を添えたり、ビタミンCは、サプリメントを摂ることがおすすめです。ビタミンCはサプリメントで摂っても、食品のビタミンCと利用率は変わらないとのことです。
喫煙者は、必要量が増えますので、特にサプリメントをおすすめします。

参考文献:日本人の食事摂取基準2020年度版

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炎症を抑えるビタミンE

炎症を抑えることの重要性

新型コロナウイルスの重症化予防のためには、炎症を抑える体の働きをアップさせることが重要です。
ウイルスは肺胞に入って炎症を起こします。肺胞に入ったウイルスは、炎症によって血管を損傷させ全身に巡り、全身のあらゆる組織で炎症を広げていきます。

炎症を抑制するには、特に高齢者においては、低栄養状態にならないことが大切です。
脂肪が多い状態の肥満の状態も炎症を起こしやすいです。

そして微量栄養素は、骨や筋肉・皮膚や細胞を強くしたり、活性酸素と言って老化を亢進する物質の除去をするなどの働きをして、炎症を防いでいます。

ビタミンEの働き

活性酸素を除く働きが、抗酸化作用と言います.抗酸化作用のある物質は色々ありますがビタミンではビタミンE・ビタミンCが中心です。

ビタミンEが注目されるのが、悪玉コレステロールと言われる、LDLコレステロールの酸化を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞と言った生活習慣病の予防効果があります。

日本人の平均的なビタミンEの摂取量をお摂りであれば、不足はないとのことです。(日本人の食事摂取基準による)

サプリメントを用いた試験では、心筋梗塞や脳梗塞といった冠動脈疾患の発症に有用であったという報告から、かえって死亡率を増加させると言った報告もありますので、特に過剰摂取には注意が必要です。

ビタミンEの多い食品

ビタミンEは、アーモンドや緑黄色野菜ほうれん草、かぼちゃ、ブリなどの一部の魚に多いです。

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胚芽米のごはんや精製された白米ではなく、雑穀入りや胚芽米にするとビタミンEが摂れます。

精製された食品を多く摂っていたり、緑黄色野菜を摂る機会が少ない方は不足していると思われますので、そうした方は、サプリメントを適切にお使いになるのも良いでしょう。

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低栄養の防止、多種類の食品を使った献立例

新型コロナウイルス重症化予防

日本臨床栄養代謝学会通称JSPENは、新型コロナウイルス重症化予防のための栄養学的アプロ ーチとして、12の提言を発表しました。その中で最も重要視されているのが、低栄養の予防です。
低栄養の予防には、多種類の食品を摂ることで回避できます。

揃えたい10品目

この表のさ:魚 あ:油 に:肉 ぎ:牛乳 や:野菜 か:海藻 に
い:芋 た:卵 だ:大豆 く:果物 の10品目の内、1日7品目を揃えるように意識すると、低栄養になるリスクを減らすことができます。

昨日の夕飯に作った献立です

ロールキャベツ、ホワイトソースかけ
小松菜と桜エビの炒め物
油揚げとわかめの味噌汁

さ:魚:桜えび
あ:油:サラダ油とホワイトソースに使ったバター
に:肉:豚のひき肉
ぎ:ホワイトソースに使った牛乳
や:やさい:キャベツ・玉ねぎ・小松菜
か:海藻:味噌汁のわかめ

い:芋:なし
た:卵:ロールキャベツの種にパン粉と一緒につなぎに入れた
だ:大豆:味噌汁の油揚げ
く:くだものなし

という訳で10品目中8品目を使っています。
1日7品目以上ですが、こんなふうに工夫をすると、1食でも多く揃えることができます。
こんなふうに、桜エビとか味噌汁の具とか、つなぎとかちょっとした量でもカウントします。意識することが大切なのです。

多品目を揃えるのは難しいという方へ

お一人暮らしで、なかなか何品目を使えないという方でしたら、買い物に行く時「ここ数日食べてないのは何かな?と考えて、買って来て調理するというスタイルでも良いと思います。できるところから、実践してみましょう。

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感染症予防にビタミンA

新型コロナウイルス重症化予防に

日本臨床栄養代謝学会JSPENは、新型コロナウイルス重症化予防の栄養学的アプローチとして、12の提言を発表しました。その提言4:微量栄養素の適正投与の中で、ビタミンAは感染症に対する生体防御に関与しており、特に小児において重要であるとのことです。

ビタミンAの働き

ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康を保つ働きがあります。不足すると、皮膚や消化管、肺や気管支などにある、上皮細胞(皮膚や粘膜の細胞)の代謝が上手く行われなくなる。鼻やのどの粘膜が弱くなると、空気中の病原体が体内に入り込み、感染に罹りやすくなります。

ビタミンAが多い食品は

ビタミンAはレバーやうなぎといった動物性の食品に多く含まれるものと、緑黄色野菜に含まれる、プロビタミンAと呼ばれるカルテノイド(αカロテンとβカロテン)が小腸でビタミンAに作り変えられ利用されます。

ビタミンAはレバー・うなぎには多いですが、普通の魚や肉にはあまり含まれていません卵も多く含まれているほうです。日本人の摂取源としては、緑黄色野菜に含まれるカルテノイドが大きな役割を果たしています。野菜は千キャベツ程度という方には、サプリメント対策も有りだと思います。
直接取れる形のビタミンAは、大量のレバーやサプリメントなどによる大量摂取で過剰症の報告がありますので、ご注意ください。肝油とか摂るのも一案だと思います。ビタミンDも一緒に摂れるようにできていますし、比較的安価です。

脂溶性であるビタミンAは、油と一緒に調理をすると、吸収が良くなります。
胡麻和え、中華風のごま油と和えたナムル、マヨネーズやドレッシングでサラダ等で吸収力がアップします。
比較的熱に強いので、炒め物も良いと思います。

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新型コロナウイルス感染予防にビタミンD

新型コロナウイルス感染予防にビタミンD

以前、高齢者の方々のの食事調査をした際、もっとも欠乏頻度が高いのがビタミンDでした。
ビタミンDはお魚が嫌いで、キノコ類もあまり食べないという方は、欠乏している可能性が強いと思います。
お魚は値段が高いし、買ってきたらすぐに食べたい食材で、不便な点があります。
お魚は干物など塩分の高い形になっているほうが保存するのには便利ですが、血圧が高いとか腎臓が悪いとなると、健康のために塩分を敬遠し、そのために魚が摂り難いという点もあります。
キノコ類は、自宅で調理をする人なら充分に摂りやすいが、買ってきたお惣菜で済ます方は不足しやすと思います。

微量栄養素で免疫力を高める

日本臨床栄養代謝学会JSPENは、新型コロナウイルス重症化予防は、栄養学的アプローチとして、12の提言を発表しました。その中で、ビタミンやミネラルといった微量栄養素の欠乏が免疫能を障害することについての提言が示されています。
最近の知見では、ビタミンDの欠乏がインフルエンザ等のウイルス感染の発症に関与しているという報告があるとのこと。新型コロナウイルスの重症化の因子になっていることが推察されるとの説明です。
魚やキノコ類がなかなか摂り難い状態にある方は、容易に不足している可能性がありますし、そういった方はたくさんおられると思います。

タミンD不足の特徴

ビタミンDに多いのは、魚とキノコ類に多い。カジキ、イワシ、紅鮭、マグロ等の魚や、キクラゲ、干ししいたけ等のキノコ類です。

また、ビタミンDは紫外線によって皮膚でも産生されるが、家に閉じこもりがちになると不足しやすいです。
新型ころなウイルス感染予防のために、ステイホームをしていないとならないこの時期
散歩をするなど3密を避けた方法で外出することも、重要なことです。

ビタミンDが不足すると

最近問題なのは、高齢者のフレイル予防にビタミンDが重要視されている。骨折の原因になるだけでなく、骨格筋の形成にも関与していて、不足するとふらつきが始まるとのことです。

妊娠中のビタミンDは必要量が増える上に、日照不足になると、出産後の母乳のビタミンD量は不足するリスクが高まるとのこと。不足が心配なのは高齢者だけではありません。

微量栄養素が不足しないためには

魚が嫌いであるとか、食べる機会が少ない、外にあまり出ないという方は、適切にサプリメントの摂取も必要かと思います。
しかし忘れてならないのは、そもそもこうした微量栄養素は、日頃から栄養のバランスの悪い食生活をされている方に不足しやすい。主食だけとか、主食とお肉だけとか、野菜がついても少量というスタイルだと、不足しやすいということです。

家にい続けることでメリハリをつけにくく、何となく過ぎていく毎日ですと、お食事のほうもどうでもよくなりがちです。そうすると途端に欠乏しやすいのが微量栄養素です。
栄養のバランスに気を付けて、お食事を召し上がることをお勧めいたします。

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忍び寄る低栄養

新型コロナウイルスが、若い人中心に蔓延しだしました。これが高齢者の皆様に蔓延を始めると、重症化する方が増え、医療崩壊が起こり大変なことになると言われています。

とにかく罹ったら大変と思いますから、家の中になるべくいるようにしてお過ごしのことと思います。足腰が弱ってはいけないと言われているので、歩くようにしたり、体操をしたりと、努力をされていると思います。

しかし低栄養はそれだけでは防ぐことができません。
そして低栄養を予防するには、コツがいります。

なぜなら低栄養は、自覚症状がないままに進み、気が付いた時には取返しのつかない状態になっていることが多いからです。

日本臨床栄養代謝学会JSPENは、新型コロナウイルス重症化予防は、栄養学的アプローチ
として、12の提言を発表しました。その中で最も重要視されているのが、低栄養の予防です。

治療薬やワクチンがない中、低栄養を予防することこそ、新型コロナウイルス重症化予防のために必要なアイテムです。

低栄養ってどんな状態?

低栄養状態は、主に体重減少が半年で10%以上あると疑われます。約3㎏は減ったと思われる方は、要注意です。または年々体重が減ってきて、BMIが18.5未満と痩せている方に多く見られます。

痩せていても筋肉質で、よく食べるしよく動くという方は、低栄養の心配がない可能性があります。

つまり痩せているだけでなく、骨の周りについている筋肉、骨格筋のが減少している状態で、ふらつきやすく、転びやすいという特徴があります。この状態をサルコペニアと言いますが、このサルコペニアがあると新型コロナウイルスに対する抵抗力が下がってしまいます。

健康診断結果の中や、病院や診療所で測定している検査結果の中にある、「血清アルブミン値」というのもご覧ください。この血清アルブミン値が低下することも、低栄養の特徴です。

症状としては、風邪などに罹りやすく、罹ったら治りにくいとか、骨折しやすいといった特徴があります。

低栄養があると新型コロナウイルスに勝てない

低栄養状態は、感染症にかかりやすく、罹ったら治りにくいという特徴があります。 新型コロナウイルスにかかり、悪心や嘔吐・下痢などで充分な食事が摂れなければ、更に悪化速度が上がります。
日頃から低栄養に陥らないことが大切です。

低栄養にならないためには

定期的な診断や治療

低栄養は高齢者に多く、老化により消化機能が落ちることも原因します。基礎疾患が徐々に進むことも影響します。そのへんを適切に管理するために、健康診断や定期的な治療をすることが大切です。

買い物や料理が不便になることも大きな原因

買い物や 料理が不便になったり、お金を節約することが原因になる場合も多いです。
そうすると、とりあえずごはんを炊いて、漬物など塩分の多いものでおかずをあまりつけることなく、ごはん中心に食べるという形になったりします。
菓子パンやカップ麺、お菓子だけで食事を済ますことも多くなりがちです。
「もう食事を用意したり作ったりが面倒だ」という気持ちになることも原因になります。かと言って、誰かに食事の用意をお願いするのも面倒なのです。
その上低栄養は自覚症状がないので、「大丈夫」と思いさえすれば大丈夫なのです。
この解決策のために、認定栄養ケア・ステーション和では、4月中旬に動画にて低栄養予防の具体策について、情報を流しました。是非ご覧くださいませ。