コレステロール値が高いと卵は食べないほうがいい?
コレステロールは主に体内の肝臓で作られていて、細胞膜やホルモン、胆汁酸などの原料になっています。生体には欠かせない物質です。
食事の中に含まれているコレステロールは、体内で作られるコレステロールの1/3~1/7しかありません。
コレステロールは食事から多く摂取すると、肝臓での作る量を減らします。食事から摂るコレステロールの量が少ないと、その分肝臓では多く作られ、一定の量に保たれる仕組みになっています。コレステロールの摂取が、そのまま血中コレステロール値に反映されるわけではありません。
卵は何個まで食べても大丈夫?
2020年度版「日本人の食事基準」によりますと、疫学研究では、卵の摂取量と虚血性心疾患・脳卒中との間に有意な関連はなかったとのことです。
ふだんから卵を多く摂っているからと言って、心疾患や脳卒中になりやすいということは関係ないことが分かります。
但し、脂質異常症で、高LDLコレステロール血症の方には、コレステロール値を1日200mg未満に留めることが望ましいとあります。コレステロール値が200mgは、卵では約1個分に含まれるコレステロールの量になります。ですので、高LDLコレステロール血症の方は、卵を1日1個位にしておいたほうが望ましいと思います。
コレステロール値は飽和脂肪酸の多い油で上昇する
LDLコレステロール値が高いと言われている方は、コレステロールの多い食品を控えるのではなく、飽和脂肪酸の多い油の摂取量を控える必要があります。
飽和脂肪酸が多い油は、肉の油やバター・ラード、牛乳や乳製品の油、やし油などがあります。
反対に不飽和脂肪酸を多く含む、魚の油に含まれるDHAやEPAと言った脂肪酸や、植物油に含まれるリノール酸などが、コレステロール値を下げる働きが期待されているものです。
コレステロールが低値の方は低栄養になっている?
コレステロール値が低値の場合は、高齢者の場合、低栄養が原因となっている場合が見られます。この場合は肉の油とか牛乳とかを気にせず、脂肪を多く摂り、摂取エネルギー量を上げることが重要です。温かいごはんにバターを乗せたり、お野菜にはマヨネーズをかけたり、和食にも合うオリーブ油をかけたりして、油の摂取量を上げるようにすることをおすすめします。
卵のたんぱく質は一番良質
たんぱく質は、20種類のアミノ酸が結合したものしたものです。その内9種が不可欠アミノ酸と言って、体内で合成されません。なので毎日摂る必要があります。この9種類の不可欠アミノ酸が豊富に入っているのが、卵です。卵の不可欠アミノ酸の含有量を100として、他の食品のたんぱく質を評価します。これをアミノ酸スコアといいます。
卵の他にアミノ酸スコアが100のものは、大豆、牛乳、牛肉・豚肉・鶏肉・魚があります。チーズは91、精白米は65となっています。
アミノ酸スコアの高いもの、特にその基準となっている卵を、しっかり食べることで、
低栄養の予防効果をアップさせることができます。
便利な味卵
冷蔵庫に卵が余ってしまった時に、作ると便利です。
半熟卵を作ります。
卵のお尻(写真)を固い所に打ち付けて、ちょっと傷を付けます。
茹でた時に皮を剥きやすいためです。
卵を水から入れて火にかけ、沸騰したら4分間茹でて水に取ります。
めんつゆをつけ麺で食べる位の希釈にして、卵を漬けておきます。
そのまま食べても美味しいし、麺類や野菜料理と共に食べても美味しいです。