歩行が不自由になる前に対策を
低栄養を予防するポイントとして重要なのは、買い物が不自由になった場合の対策です。歩行が不自由になってきて、杖をついたり、カートに捕まって歩く状態になると、充分な食材を手に入れることが困難になります。
ご家族やご近所の方に助けていただくにしても、なかなか充分な食材を揃えるのが難しくなります。
お元気な内から生協を利用して、買い物の負担を下げている方は、買い物に行かなくても食材を届けてもらえるために、栄養のバランスを整えることが容易です。
歩行に不自由になった時点で、「生協を利用しませんか」とお願いしても、ほとんど断られます。ご高齢の方にとって、それまでやったことがないことを始めることは、難しいと思います。
ですのでお元気な内に、生協を利用を始めてもらいたいと思っています。
思い切って誰かに相談しましょう
生協を利用していたとしても、だんだん台所に立っていることが辛いという状況になるとなかなか充分な栄養を摂れなくなります。
そうすると、主食となるごはんやパンや麺は摂れますが、なかなかおかずを充分に用意できなくなります。
低栄養の予防は、エネルギー量を満たすなででなく、色々な食材を多種類摂ることが必要です。
しかしそれができなくなる訳です。
食事の内容が悪くなっても、日々はそのための不調を感じにくいです。人に頼ったり、迷惑をかけたりするのは嫌だとお考えになり、「おかずのない食事でも食べているのだからそれで良い」と思いがちです。お菓子とか好きなものを食べられていれば、まあいいのではないかとお考えになる方も多いです。
そんな時は思い切って相談することが大切ですね。
ご近所の方や、地域の相談窓口に連絡してみましょう。
濃厚流動食の利用
新型コロナウイルスの感染で重症化するのは、低栄養状態の方です。買い物や調理が不自由になったら対策が必要です。
そうした時におすすめなのは、濃厚流動食です。
125mlで200kcal摂れて、たんぱく質、脂肪、微量栄養素もバランスよく入っています。食事がいよいよ食べられなくなって、弱ってきてから摂るのでは遅いです。
なぜなら食事療法は速効性で効き目がある薬とは違います。予防的に早めに摂取しなければ、効き目がありません。
薬局や通信販売で、色々なメーカーから色んな商品が出ています。
薬局で「濃厚流動食ありますか?」と聞いてください。
ネットで「濃厚流動食」を検索して、通信販売で購入してください。
多くは冷やして、1日かけて少しずつでも摂ることをお勧めします。