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低栄養予防 新型コロナウイルス重症化予防 食事で免疫力を高める

低栄養の予防には「主食・主菜・副菜」が揃った食事を

低栄養予防が感染予防・重症化予防に

日本臨床栄養代謝学会が出した、新型コロナウイルス感染症の治療と予防に関する栄養学的提言で、重症化症例の多くは、背景として低栄養があることを指摘しています。多くは高齢者が重症化しやすい訳ですが、治療法や予防法が確定しない伝染性の疾患では、若年層も含め、個々の免疫力を高めることが肝要です。
低栄養になりやすい食事とは、主食・主菜・副菜の内、主食に偏る食事で、主菜・副菜といったおかずの少ない食事が特徴です。

主食・主菜・副菜の揃った食事とは

増やしたい主食・主菜・副菜が揃う食事

平成30年度の国民栄養調査によると、栄養のバランスが整いやすい主食・主菜・副菜が1日2食以上、ほぼ毎日揃っていると回答した者の割合は 男性45.5%、女性49%に留まっています。
低栄養を予防する必要のある方は、国民の約半数いる可能性があります。
認定栄養ケア・ステーションでは、皆さんで協力しながら、栄養状態を良くして行く活動をして行きたいと思っています。

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食事で免疫力を高める

免疫力に関係する食物繊維

善玉菌を増やし腸内環境を良く保つ

腸内には善玉菌、悪玉菌、日和見菌(善玉菌とでも悪玉菌でも無い菌)があります。
日和見菌は全体の7割そ占め、これが善玉菌になり、腸内の環境を良くすることが
大切です。
ビフィズス菌等の善玉菌は、ヨーグルトや納豆と言った発酵食品によって増えますが、
これらの菌のエサとなるのが、食物繊維です。食物繊維があって、善玉菌は増えます。
善玉菌は腸内の免疫機能を活性化する働きもあります。

食物繊維の不足の注意

便秘になられる方の内、食物繊維の不足が原因と思われる方は、多く見られます。
便秘の状態は、悪玉菌を増やし、食物の腐敗を進めます。免疫力も低下してしまいます。
高齢者の方々は、元々消化機能が落ちて来て、それが原因でも便秘になりやすいですが、買い物が不便になり、口当たりの良いもの、菓子パンやお菓子で食事を済ます機会が増えると、顕著に食物繊維不足になってしまいます。

調理が負担に感じて、出来ているお食事を買って来られる高齢の方や、お仕事が忙しくて外食やコンビニのお弁当が多い方の食物繊維不足が心配です。

また、野菜が嫌いとか、あまり食べないという方。野菜を調理しないし、買っても来ないという方は、食物繊維を多く含む根菜類やキノコ、海藻類が不足している場合が多く
見られます。

生活習慣病の予防にもなる

食物繊維は、脂質異常症、高血圧、糖尿病の予防にもなりますので、若年層の方から不足しないように心がけられると良いと思います。

生活習慣病予防のためには、食物繊維の1日の目標量は、成人男性が21g、女性が18gです。65歳以上だと男性20g、助成17gとなります。

食物繊維の多い食品

食物繊維は、精製されていない穀物、根菜類、キノコ、海藻類に多いです。
ごはんは胚芽米や、麦入りや雑穀入り、玄米が混ざったごはんだと、食物繊維は増えます。玄米も発芽玄米というタイプは、柔らかく消化しやすい形になっています。
パンは、全粒粉で作ったものやライ麦パンが食物繊維が多いです。
以下、食物繊維が多い食品の食物繊維の含有量をご紹介します。
これらの食品を、お食事に取り入れるようにされることをおすすめします。

水に溶ける食物繊維の紹介

食物繊維が摂れない方には、水溶性の食物繊維が粉になって売っている特定保健用食品をお使いいただくと良いです。
水に溶けてしまい透明になり、水の味も変えません。
食物繊維不足の方はビタミン・ミネラルも不足ですので、野菜ジュースも一緒に摂られると良いでしょう。

便秘の方で、便秘薬だと下痢を伴い不便をお感じになられている方にも、この飲む食物繊維を上手く併用していただくと、コントロールしやすくなります。

参考資料:日本人の食事摂取基準2020

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買い物が不自由になったら低栄養の危険

歩行が不自由になる前に対策を

低栄養を予防するポイントとして重要なのは、買い物が不自由になった場合の対策です。歩行が不自由になってきて、杖をついたり、カートに捕まって歩く状態になると、充分な食材を手に入れることが困難になります。
ご家族やご近所の方に助けていただくにしても、なかなか充分な食材を揃えるのが難しくなります。

お元気な内から生協を利用して、買い物の負担を下げている方は、買い物に行かなくても食材を届けてもらえるために、栄養のバランスを整えることが容易です。
歩行に不自由になった時点で、「生協を利用しませんか」とお願いしても、ほとんど断られます。ご高齢の方にとって、それまでやったことがないことを始めることは、難しいと思います。
ですのでお元気な内に、生協を利用を始めてもらいたいと思っています。

思い切って誰かに相談しましょう

生協を利用していたとしても、だんだん台所に立っていることが辛いという状況になるとなかなか充分な栄養を摂れなくなります。
そうすると、主食となるごはんやパンや麺は摂れますが、なかなかおかずを充分に用意できなくなります。
低栄養の予防は、エネルギー量を満たすなででなく、色々な食材を多種類摂ることが必要です。
しかしそれができなくなる訳です。
食事の内容が悪くなっても、日々はそのための不調を感じにくいです。人に頼ったり、迷惑をかけたりするのは嫌だとお考えになり、「おかずのない食事でも食べているのだからそれで良い」と思いがちです。お菓子とか好きなものを食べられていれば、まあいいのではないかとお考えになる方も多いです。

そんな時は思い切って相談することが大切ですね。
ご近所の方や、地域の相談窓口に連絡してみましょう。

濃厚流動食の利用

新型コロナウイルスの感染で重症化するのは、低栄養状態の方です。買い物や調理が不自由になったら対策が必要です。
そうした時におすすめなのは、濃厚流動食です。


125mlで200kcal摂れて、たんぱく質、脂肪、微量栄養素もバランスよく入っています。食事がいよいよ食べられなくなって、弱ってきてから摂るのでは遅いです。
なぜなら食事療法は速効性で効き目がある薬とは違います。予防的に早めに摂取しなければ、効き目がありません。
薬局や通信販売で、色々なメーカーから色んな商品が出ています。
薬局で「濃厚流動食ありますか?」と聞いてください。
ネットで「濃厚流動食」を検索して、通信販売で購入してください。
多くは冷やして、1日かけて少しずつでも摂ることをお勧めします。

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炎症を抑えるビタミンC

ビタミンCの抗酸化作用

新型コロナウイルスの重症化予防のためには、炎症を抑える体の働きをアップさせることが重要です。
ウイルスは肺胞に入って炎症を起こします。肺胞に入ったウイルスは、炎症によって血管を損傷させ全身に巡り、全身のあらゆる組織で炎症を広げていきます。

炎症を防ぐには、低栄養にならないように、栄養のバランスを摂ることが重要ですが、この前のブログで紹介したビタミンEと共に、ビタミンCは抗酸化作用によって、炎症を防ぐ働きを持っています。

体調管理にビタミンC

ビタミンCの欠乏症として有名なのが壊血病で、大航海時代に船員の多くが壊血病で亡くなっています。壊血病の症状は、疲労倦怠、いらいらする、顔色が悪い、皮下や歯茎からの出血、貧血、体重減少、心筋障害、呼吸困難などがあります。
成人のビタミンCの推奨量は100mgです。壊血病はビタミンCの食事摂取基準の1割以下10㎎程度摂っていれば起きません。普通の食生活では、ほとんど壊血病になる心配ありません。
しかし、壊血病的な症状、疲労倦怠、いらいらするなどがある方は、体調管理やストレス耐性を高めるために、充分ビタミンCを多めに摂るように意識するとよいと思います。

一方心臓血管系の疾病予防効果には、50mg程度摂っていれば期待できるとのことです。

ビタミンCを多く含む食品

ビタミンCは、熱に弱く、生の果物や、赤ピーマン、茹でても残る量が多めの小松菜・ほうれんそうといった緑の葉物やブロッコリー、熱に強いでんぷんに守られたビタミンCを含む芋類から摂れます。

サプリメントの利用もおすすめ

生の果物や野菜が少ない、外食やお弁当を召し上がっている方は、サプリメントで補うのも良いと思います。
特にお弁当には、食中毒を予防するために、加熱した料理が多いので、生の食品が充分に入りにくかったりすると思います。ビタミンCの多い食品を添えたり、ビタミンCは、サプリメントを摂ることがおすすめです。ビタミンCはサプリメントで摂っても、食品のビタミンCと利用率は変わらないとのことです。
喫煙者は、必要量が増えますので、特にサプリメントをおすすめします。

参考文献:日本人の食事摂取基準2020年度版

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炎症を抑えるビタミンE

炎症を抑えることの重要性

新型コロナウイルスの重症化予防のためには、炎症を抑える体の働きをアップさせることが重要です。
ウイルスは肺胞に入って炎症を起こします。肺胞に入ったウイルスは、炎症によって血管を損傷させ全身に巡り、全身のあらゆる組織で炎症を広げていきます。

炎症を抑制するには、特に高齢者においては、低栄養状態にならないことが大切です。
脂肪が多い状態の肥満の状態も炎症を起こしやすいです。

そして微量栄養素は、骨や筋肉・皮膚や細胞を強くしたり、活性酸素と言って老化を亢進する物質の除去をするなどの働きをして、炎症を防いでいます。

ビタミンEの働き

活性酸素を除く働きが、抗酸化作用と言います.抗酸化作用のある物質は色々ありますがビタミンではビタミンE・ビタミンCが中心です。

ビタミンEが注目されるのが、悪玉コレステロールと言われる、LDLコレステロールの酸化を防ぎ、心筋梗塞や脳梗塞と言った生活習慣病の予防効果があります。

日本人の平均的なビタミンEの摂取量をお摂りであれば、不足はないとのことです。(日本人の食事摂取基準による)

サプリメントを用いた試験では、心筋梗塞や脳梗塞といった冠動脈疾患の発症に有用であったという報告から、かえって死亡率を増加させると言った報告もありますので、特に過剰摂取には注意が必要です。

ビタミンEの多い食品

ビタミンEは、アーモンドや緑黄色野菜ほうれん草、かぼちゃ、ブリなどの一部の魚に多いです。

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胚芽米のごはんや精製された白米ではなく、雑穀入りや胚芽米にするとビタミンEが摂れます。

精製された食品を多く摂っていたり、緑黄色野菜を摂る機会が少ない方は不足していると思われますので、そうした方は、サプリメントを適切にお使いになるのも良いでしょう。